2021年04月30日

共通テスト 情報科サンプル問題解説(第3問)

 令和7年度大学入学共通テストから出題予定の情報科「情報T」。
 そのサンプル問題・解答が大学入試センターのWebで公開されています。
   https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html

 情報科の教員としてはどんな問題が出題され、どんな力が要求されるのか気になるところ。
 そこで問題を解いて自分なりに解説を書いてみました。解説を書くのは意外に時間がかかるので、大問一つずつ順次?アップしていきます。今回はラスト第3問の解説です。

第3問≪データサイエンス≫
問1a

ア―⓪ イ―Bが正解。図1の相関係数あ〜かの決勝進出の数値に注目する。相関係数は0〜1で表され、1に近づくほど相関が高い。一方が増えるともう一方が一定の割合で増える相関を正の相関、一方が増えるともう一方が一定の割合で減少する相関を負の相関という。問題文から「予選敗退チームにおいてはほとんど相関がなく」=相関係数が0に近い、「決勝進出チームについて負の相関がある」=相関係数がマイナスでより絶対値が大きいものを探せばよい。答えは「う」となるので、1試合当たりの「⓪得点」と1試合当たりの「B反則数」の組み合わせが正しい。
ウ―Bが正解。次もまず相関係数あ〜かの数値に注目する。問題文に「決勝進出チームと予選敗退チームとで、相関係数の符号が逆符号であり、その差が最も大きくなっている」とあるので、あてはまるものを探せばよい。答えは「え」となる。「え」は1試合当たりのショートパス本数と、1試合当たりのロングパス本数の組み合わせなので、同じ組み合わせの散布図をA〜Fから探せばよい。「え」に対応する散布図はDとなるので、「BD」が正解。

問1b
エ―Aが誤り。相関係数あ〜かに注目し、「全参加チームが正の相関」かつ「決勝進出チーム・予選チームのいずれも負の相関」の数値はの組み合わせは存在しないので誤り。そもそも決勝院出チーム・予選敗退チームのいずれも負の相関であれば、その集まりである全参加チームも負の相関を示すので、こちらからも誤りと解る。
⓪は、相関係数「え」=散布図「D」に注目すると、予選敗退チームは正の相関であるから右上がりの分布、決勝進出チームは負の相関であるから右下がりの分布となるはずである。ゆえに黒い四角形が決勝進出チーム、白い四角形が予選敗退チームとわかる。
@は、相関係数あ〜かの全チームの数値に注目し、最も強い相関=相関係数が1に近いものを選べばよい。こたえは「あ」となるので、文章は正しい。
Bは、ヒストグラム@に注目し、決勝進出チームの方が予選敗退チームより、1試合当たりの得点が高いことが想像できるから、ヒストグラム@〜Cで下の方が決勝進出チームのヒストグラムであることがわかるので正文。

問2
オ―@ カ―Eが正解。双方の回帰直線の式に注目し、問題文に「100本にき・・・得点増加数」とあるので、x=100として比べればよい。得点増加数なので双方の式の傾きを計算すると、決勝進出チームの得点増加数は0.008×100=0.8、予選敗退チームの得点増加数は0.0064×100=0.64なので、差は0.8−0.64=0.16となる。
キ―Cが正解。ショートパス320本の時に予測できる得点なので、双方の式にx=320を入れて計算して比べればよい。決勝進出チームの得点y=0.008×320−1.4307=1.1293≒1.13、予選敗退チームの得点y=0.0064×320−0.9567=1.0913≒1.09。これら得点の差を求めると1.13−1.09=0.04となるので、4が正解。
クケ―DEが正解。決勝進出チームがショートパス384.2本の時の予想得点y=0.008×384.2−1.4307=1.6445≒1.64なので、実際の得点との差は2.20−1.64=0.56となる。

問3
コ・サ―⓪・Bが正解。⓪の四分位範囲とは第1四分位数と第3四分位数の範囲である。決勝進出チームのロングパス本数の範囲は103.5−92.25=11.25、予選敗退チームの範囲は98-87.67=10.33となり、予選敗退チームの方が小さいので正文。
Bの1試合当たりの反則回数の標準偏差を比べると、決勝進出チームが0.82、予選敗退チームが0.78となり、決勝進出チームの方が散らばりが大きいので正文。
@の中央値は第2四分位数と一致する。ゆえに決勝進出チームの1試合当たりのショートパスの中央値と平均値は336.88と345.76、予選敗退チームは266.83と263.33となり、決勝進出チームは平均値の方が大きいので誤り。
Aで、決勝進出チームの1試合当たりのショートパスの第1四分位数は321.82、予選敗退チームの中央値(=第2四分位数)は266.83となり、後者の中央値の方が大きいので誤り。
Cの1試合当たりの反則回数で、予選敗退チームの第1四分位数が2.58、決勝進出チームの中央値(=第2四分位数)は2.40なので、後者の中央値の方が大きいので誤り。

問4
シ―Bが正解。図1のCのヒストグラムで、上が予選敗退チーム、下が決勝進出チームというのは問1ですでにわかっているので比べれば正文とわかる。
⓪は表2の1試合当たりの反則回数の最大値に注目すればよい。決勝進出チームの最大値が4.5に対し、予選敗退チームの最大値は4.67なので、最大値は決勝進出チームではない。
@は、1試合当たりの反則回数と1試合当たりの得点の相関を見るので、図1の相関係数「う」の全参加チームの数値に注目すればよい。相関係数は-0.398と負の相関にあるので「正の相関がある」は誤り。
Aは、@と同様に図1の相関係数「う」の予選敗退チームと決勝進出チームの数値に注目すればよい。それぞれ0.047、-0.597なので、「それぞれ負の相関がある」は誤り。

ス―Eが正解。文章「決勝進出チームのうち1試合当たりの反則回数が全参加チームにおける第3四分位数を超えるチームの割合は約19%」とあるので、決勝進出チーム16チームの19%にあたる数値を求めればよい。16×0.19=3.04≒3 なので表中のQ3を超える決勝進出チーム数は3とわかる。表よりQ3を超える全チーム数は7なので、Q3を超える予選敗退チーム数「ス」は7−3=4となる。

セ―F ソーDが正解。文章「1試合当たりの反則回数がその第1四分位数より小さいチームの中で決勝進出したチーム」を求める。まずQ1未満の決勝進出チーム数は、表の全参加チーム数から予選敗退チーム数を引けば求められる。よって8−2=6となる。第一四分位数の中で決勝進出したチームの割合なので、6(Q1未満の決勝進出チーム数)÷8(Q1未満の全参加チーム数)=0.75となり、75%が正解となる。

印象
 相関係数の意味や考え方、統計の基本である中央値・最大値・平均値などの用語と意味、箱ひげ図作成などで関係する四分位の考え方などの最低限の知識は必要。知識というより経験として一度これらの作成・分析を授業で経験しておくと迷わないように思います。あとは文章から何を求めようとしているのか・条件をきっちり読み取れるかどうかという読解力が重要です。
posted by okamon at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報科共通テスト

2021年04月27日

共通テスト 情報科サンプル問題解説(第2問)

 令和7年度大学入学共通テストから出題予定の情報科「情報T」。
 そのサンプル問題・解答が大学入試センターのWebで公開されています。
   https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html

 情報科の教員としてはどんな問題が出題され、どんな力が要求されるのか気になるところ。
 そこで問題を解いて自分なりに解説を書いてみました。解説を書くのは意外に時間がかかるので、大問一つずつ順次?アップしていきます。今回は第2問の解説です。

第2問≪比例代表選挙の当選者数を計算するプログラム≫
問1(プログラミング)

ア―Bが正解。最初のKさんMさんの会話文とプログラムがどう対応しているかを照らし合わせながら考えればよい。プログラムの05〜07行目は会話文の「得票の総数を議席数で割る・・これを基準得票数とよぶ・・」が対応する。これに、それぞれ総数=sousuu、これを求めるための各政党の得票数=tokuhyo、議席数=giseki、基準得票数=kizyunsuu という変数を割り当てている。プログラムの06行目では、票の総数(sousuu)を求めるために、各政党の得票数=tokuhyoのm番目に格納されている数値を順番に加えて求めているので、
mには0〜3の数字が入ることがわかる。ちなみにtokuhyo〔m〕とは配列tokuhyoの中のm番の数値(例えばtokuhyo〔0〕ならtokuhyoの中の0番の得票数=1200)を指す。

イ―G、ウ―bが正解。プログラムの10・11行目を、会話文と対応させると「各政党の得票数をこの基準得票数で割る」が該当する。よってイ・ウには各政党の得票数=tokuhyo〔m〕を基準得票数=kizyunsuuを割るので、それぞれG、ⓑが入る。

問2
図7の手順を書きだした文章と図8の変化を対応させて確認すればよい。
 手順としては、まず配列Hikakuの数値から最大の数値=Hikaku〔maxi〕を見つける。1回目ではHikaku〔2〕=1440が該当する。次に配列Tosenの中の対応するTosen〔maxi〕の値に1を加えた数値に置き換える。1回目ではTosen〔2〕を0に1を加えた数値=1に置き換える。
 次にもとの政党の得票=Tokuhyoの中の対応するTokuhyo〔maxi〕を、Tosen〔maxi〕の値に1を加た数値で割った数値で、Hikaku〔maxi〕の値を置き換える。1回目ではTokuhyo〔2〕=1440をTosen〔2〕=1に1を加えた2で割って、Hikaku〔2〕をその数値=720に置き換える。

エ―b ケ―@が正解。2回目の最大数値はHikaku〔0〕=1200となるので、対応するTosen〔0〕に1を加え、次にTokuhyo〔0〕=1200をTosen〔0〕=1に1を加えた2で割って、Hikaku〔0〕をその数値=600に置き換える。配列Hikaku、Tosenの他の数値は変化しないので、エ―ⓑ720、ケ―@1と前の手順後のままの数値が入る

オ―H コ―Aが正解。3回目はHikaku〔2〕=720が最大値になるので、Tosen〔2〕=1に1を加え、Tokuhyo〔2〕=1440をTosen〔2〕に1を加えた数値(2+1=3)で割った値(1440÷3=480)で、Hikaku〔2〕を置き換える。よってオ―H480、コ―A2が正しい。

カ―H キ―H サ―A シ―Aが正解。4回目はHikaku〔1〕=660が最大値になるので、Tosen〔1〕=0に1を加え、Tokuhyo〔1〕=660をTosen〔1〕に1を加えた数値(1+1=2)で割った値(660÷2=330)で、Hikaku〔1〕を置き換える。5回目はHikaku〔0〕=600が最大値なので、Tosen〔0〕=1に1を加え、Tokuhyo〔0〕=1200をTosen〔0〕に1を加えた数値(2+1)で割った値(1200÷3=400)で、Hikaku〔0〕を置き換ええる。よってHikaku〔2〕、Tosen〔2〕は変化しないのでオ・コと同じ数値が入る。
 
ク―F ス―Bが正解。6回目はHikaku〔2〕=480が最大値なので、Tosen〔2〕=2に1を加え、Tokuhyo〔2〕=1440をTosen〔2〕に1を加えた数値(3+1)で割った値(1440÷4=360)で、Hikaku〔2〕を置き換える。よってク―F360 ス―B3が正しい。

問3
セ―Aが正解。問3のプログラムは、問2で扱った図7の手順をプログラムにしたものであるので、手順を対応させていけばよい。プログラム08行「(セ)<gisekiの間繰り返す」
とあるので、どのような条件まで繰り返せば考えればよい。図7の手順4に「手順2と手順3を当選者の合計が議席数の6になるまで繰り返す」とあるので、これに対応するプログラムであることがわかる。つまり当選者の合計=tosenkeiが、議席数=gisekiに達するまで繰り返すので、(セ)にはAtosenkeiが入ることがわかる。

ソ―Aが正解。09〜13行のプログラムは、図7手順2の「配列Hikakuの要素の中で最大の値を調べ」の部分に対応する。11行から12行はその方法の記述で、Hikaku〔i〕が現在の最大値〔max〕より大きければ、最大値〔max〕をHikaku〔i〕の数値に置き換え、配列Hikakuの次の数値と比較し同様のことを繰り返しながら最大値を求める手順をとる。(ソ)は下線部の手順にあたるので Amax=Hikaku〔i〕 が入るとわかる。

タ―B チ―Gが正解。16行目のプログラムは、図7手順3の「Tokuhyo〔maxi〕をTosen〔maxi〕+1で割った商をHikaku〔maxi〕に格納する」に対応する。ゆえにタ―BTokuhyo〔maxi〕、チ―G(Tosen〔maxi〕+1)が入る。

ツ―⓪ テ―⓪が正解。候補者が足りなくなった場合の対応なので、最大値を探す条件に、最大値となる政党の当選者が増えた場合の人数=Tosen〔i〕+1が候補者=Koho〔i〕より同じか少ないことを条件に入れればよい。両方が成り立つことが必要なのでツ―⓪andが入り、テには⓪Koho〔i〕>= Tosen〔i〕+1が入る。

印象
 プログラミングの問題ですが特定の言語の知識ではなく、変数や配列などプログラミングの一般的な考え方や、文章の読解力が問われる印象です。もちろんコードによるプログラミングを経験しておく方が有利と思いますが、経験がなくても丁寧に文章とプログラムを対応させていけば読み解けると思います。
posted by okamon at 20:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報科共通テスト

2021年04月24日

共通テスト 情報科サンプル問題解説(第1問)

 令和7年度大学入学共通テストから出題予定の情報科「情報T」。
 そのサンプル問題・解答が大学入試センターのWebで公開されています。
   https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7ikou.html

 情報科の教員としてはどんな問題が出題され、どんな力が要求されるのか気になるところ。
 そこで問題を解いて自分なりに解説を書いてみました。解説を書くのは意外に時間がかかるので、大問一つずつ順次?アップしていきます。

第1問 ≪災害時の通信について≫
問1(コンピュータネットワークの仕組み)

ア・イ―A・Bが正解。問題文に「回線交換方式と違って」とあるので、インターネット回線の通信方式であるパケット交換方式の特徴とを比較すればよい。
 回線交換方式では、通信の開始から終了まで回線を占有するので他者がその回線を利用できない。これに対しパケット交換方式では、データを小さな単位に分割し、それに宛先や送信元のアドレス・順序などの情報を加えたパケットを送信する。途中でデータが欠落しても再送されるのでAは正しい。また回線を占有せず、同時に複数の利用者が回線を共有することができ利用効率が良いのでBは正しい。⓪は予約不要なので誤り、@は一度に送出しないので誤り、Cは回線を占有しないので誤り。

ウ―Bが正解。情報格差とは情報技術が利用できる人とできない人との格差であり、国家間(先進国と途上国)、地域間(都市部と地方)、貧富の差、年齢(高齢者現役世代)、障がいの有無などがその要因となるのでBが正しい。

エ―Bが正解。クラウドサービスとはコンピュータネットワークを利用して別のコンピュータに接続しサービスを提供する形態であるので、機器を自ら設置する必要がない。
⓪は、データはネットワーク上のコンピュータに存在するので誤り。@も拡張はネットワーク上のコンピュータで行う必要があるので誤り。Aのサーバをネットワークに接続するのはクラウドサービス提供事業者なので誤り。

問2(情報デザイン)
オ―@が正解。「クラス全体」という集合を、「電車利用」「バス利用」「自転車利用」という小さな集合に分類し、かつ小さな集合同士の重なりもあるので@のベン図が適している。

カ―Dが正解。「Plan」「Do」「Check」「Action」といった流れで表現とあり、これらは何度も繰り返されるものなので、Dの循環図が適している。

キ―Aが正解。「5万円以上・以下」「1kg以上・以下」という二つの要素の組み合わせで分類するので、Aの2つの要素を縦軸と横軸に配置し整理するマトリックス図が適している。

問3(デジタル化)
ク―⓪ ケ―@が正解。アナログデータのデジタル化では、データを一定の間隔で区切り(手順1・標本化)、次に区画のデータをルールに従い整数値に置き換える(手順2・量子化)、最後に整数値を2進法で表現する(手順3・符号化)手順をたどる。

コ―⓪が正解。デジタルデータの特徴として、ノイズに強く複製しても劣化しないことや、修正や編集など加工しやすいこと、音・画像・文字などの情報を統合しやすいなどの特徴がある。よって⓪が正しい。@はラスタ方式や解像度が低い画像を拡大するとギザギザが表れるので誤り。Aの圧縮方式には可逆圧縮と非可逆圧縮があり、後者は元の画像に戻すことができないので誤り。Bは著作権侵害となるので誤り。

問4(IPアドレス)
サ―8が正解。図2のIPアドレスではネットワーク部が2進法24桁=24ビット、ホスト部に割り当てられているのは2進法8桁=8ビットなので8が入る。

シス―16が正解。先生の説明から空欄「シス」にはネットワーク部に割り当てられるビット数が入ることがわかる。Kさんの説明(256×256)からローカル部は8ビット×2=16ビットが割り当てられることがわかるから、IPv4全部で32ビットからローカル部16ビットを引いた、16ビットがネットワーク部に割り当てられることがわかる。

セソ―18が正解。ネットワーク部のビット数を求めるには、二つのアドレスを2進法に直し共通する桁数=ビット数を求めればよい。双方最初の16ビットは「172.16」で共通なので、その次の「129」「160」を2進法に直して、共通する桁数を求めればよい。それぞれのIPアドレスを2進法で表記すると
 172.16.129.1 →2進法 10101100. 00010000. 10000001.00000001
 172.16.160.1 →2進法 10101100. 00010000. 10100000.00000001
となるので、下線部を引いた上位18桁=18ビットが正解となる。

 ※第2問の解説につづく(近日?公開)
posted by okamon at 11:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 情報科共通テスト